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【書評】コンサルタントの整理術

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本日の1冊

タイトル:特別講義 コンサルタントの整理術コンサルタントの整理術1
著者:三谷宏治

コンサルタントの整理術2

概要

著者は〆切が怖いから、臆病だから、昔からいろいろ工夫をしていた。その工夫が、「分ける」「減らす」「早めにやる」だった。それらをずっと練習して「習慣化」してきた。整理のための整理術でなく、仕事を(そして人生の種々を)うまく流れるようにするための「整流術」を、意識しよう。
大事なのは、迅速に(即レス)ではなく、早めに(先手)、でもときどき、コミュニケーションすること。火事場で力を出すよりも、火事にならないように防火や耐火建築に励もう。渋滞しないために車自体を減らそう。そのための「整理」をしよう。それが整流術としての超・整理術。著者の考え方が詰め込まれた1冊。

ポイント

「シゴトが渋滞する」とはどういうことか?


シゴトを渋滞させないための4つの方策

①分ける
 高速道路に乗せる車と、そうでない車を分ける。こだわるものと、こだわらないものを分ける
②減らす
 そもそも車(シゴト)自体を減らす
③早めにやる
 渋滞に巻き込まれないように、早めにスタートする
④習慣にする
 これらを習慣して自動的に行う

一番面白いのは「分ける」。人は多くの時間を「悩む」という状態の中で過ごす。ならば仕事を「価値を生む悩み」と「生まない悩み」に分け、価値を生まないものには悩まないという客観的割切でムダな時間を省き、渋滞を減らす。一番大変なのは「減らす」こと。まさに整理術の王道。一番効果があるのは「早めにやる」こと。
早めに手をつけることで、仕事は驚くほど楽になる。「習慣にする」は、その名の通り一番地道。まずは1つのことを続ける決意と行動力を持つことが成功への近道となる。

分けるとは?

まずはすべてのテーマ(仕事でも私事でも)を「分ける」こと。
①「こだわるもの」と「こだわらないもの」を分ける
②そのための「決め方」を決める
③「コミュニケーションルート」を分ける

減らすとは?

世の整理術の王道とは、整理の対象、つまりシゴトそのものを減らすこと。
①上司にシゴトを「打ち返す」(=仕事を安請け合いしない)
②みんなが困るまで待つ(=自ら余計な仕事を増やさない)
③メールの使い方に注意して無用なコミュニケーションを減らす
この過程で生まれた余裕時間は、ここでもやはり、まずは仕事につぎ込もう。仕事の質を上げ、上司や同僚、顧客の信頼を勝ち取る。そうすれば、きっと「減らす」ことの好循環が生まれるはず。

「早めにやる」とは?

仕事でもなんでも、「早めにやる」と良いことが一杯ある。
①気分に合わせてシゴトをする(⇒生産性が上がる)
②ムリそうなものを把握する(⇒スタックしなくなる)
③答えのカケラを納得いくまで探す(⇒後工程が楽になる)
④初日頑張ってスケジュールに余裕を持つ(⇒保険ができる)
〆切ぎりぎりにやることは「ムリにやる」「見えないままやる」「バッファーのなさ」という問題点がある。

「習慣にする」とは?

①身につけやすいものから手をつける
②新習慣に対して、自分が「入りやすく」かつ「出にくくする」
③習慣化ツールを使う

分ける


すべてのことを「分ける」

すべてのことに対して、対応の仕方を決めること。それが「分ける」。あらゆることに対して「これは悩む」「これは悩まない」と決めて「分けて」しまえば、多くの時間をムダにさせずにすむ。

著者の経験:
友人と食事をする際に、何を食べるか意見を求めたときに友人が言った一言。「オレはこだわることと、そうでないことを決めている。食事はこだわらない。だからおまえの好きにしていい」

悩み自体で時間をムダにしない

ホワイトカラーの非効率の原因は「悩み」の蔓延、つまり「悩む」という作業に多くの時間を費やしていること。まずは「分ける」ことで「悩む」ということにかけていたムダな時間を省き、悩みの海から浮かび上がろう

自分の心の状態を知る

1人で考えること自体を良い。でも悩んだら負けだ。悩んでいると人は深く考えているつもりになるが、実はまったく進んでいない。まずは自分の「悩み」の状態を自覚することが、整理への偉大な一歩なのだ。

自分の心を少しだけコントロールする

まずやるべきことは「感情自体を認識すること」。自分が今どんな気分なのか、怒っているのか、焦っているのか、羨んでいるのか。それを常に意識すること。そしてその感情を押さえるものと押さえないものに「分ける」こと。
-悩んでも良くならないもの ⇒ 悩まない
-焦っても速くならないもの ⇒ 焦らない

こだわりレベルを決める

ここでの目的は「分けることで悩む時間を減らす」こと。2つのレベルでも3つ、4つのレベルに分けてもいい。徹底的にこだわるモノがたった1つか2つに決まったらなら、それ以外は「どうでもいいモノ」「犠牲にできるモノ」となる。

こだわりレベルに合わせた時間配分をする

・すごくこだわる  ⇒ 納得するまで時間をかけて吟味する
・少しだけこだわる ⇒ 考える時間は5分まで
・全くこだわらない ⇒ 考えない/放っておく
といった具合に。こだわらないモノやコトを決め、そこへ時間や気を使うことをやめることだ。

決め方を決める

決め方を決めるとは、結局のところ「判断基準」を作ること。決め方を決め、分けられればこだわりの中でも動きやすくなる。

想定外のときの決め方を決める

迷ったときの対処法が決まっていれば、鬼に金棒、焦ることがなくなる。

コミュニケーションルートを決める

要件や相手によって、これをちゃんと分けて決めておくと、迷いがなくなる。

減らす


モノの総量を減らすとは?

シゴトの渋滞を抑制するには、①寝ている車(不要な仕事)を起こさない工夫、②車の数(元々の仕事量)を減らす工夫、③車をまとめる工夫(仕事の並列化)が必要ということ。

面倒な部下になって仕事を減らす(1)

上司から見て「便利で楽な部下」になることは、ある意味最悪の状態。
・すぐうんと言わず、上司自身に考え直させる
・すぐ携帯電話で捕まらないようにする
・過剰に報連相しない
 振ってくる仕事を減らすには、それしかない(もちろん、それで生産性を上げて良い仕事をすることが絶対条件)

面倒な部下になって仕事を減らす(2)

価値の低い仕事たちの発生源は、多くの場合「上司の思いつき」。次の質問で上司に考えてもらおう。
・最終的な目的はなんですか
・他の仕事とどう関係していますか
・私の他の仕事との優先順位はどう考えますか
※仕掛かり中の仕事はいつもリストアップしておくことは重要

しばらく待つ

みんなが困ったあとなら、その仕事は格段に簡単になる。仕事を簡単なものにすることで実質的に「減らす」。そのために、待つ。みんながちゃんと困るまで。

携帯電話には出ない

不要な緊急対応を半減させる。

メールの極意(1)

即レスの問題点は「メールのチャット化」、「議論の発生」。仕事が仕事を複利で生んでいく状態。これらを避けるためには、①即レスする必要のないものは即レスしない、②「全員に返信」はなるべくしない、が大原則。

メールの極意(2)

苦情メールには即レスする。

メールの極意(3)

受信箱とその中のフォルダ群を準備する。すぐに返信できないものは、そのまま受信箱に残して振り分けない。1週間を期限にしてなんとか処理するようにする。ホワイトカラーが1日にメール処理(文書作成含む)に費やす時間は、平均3時間程度という。メールがメールを増やさないよう、2日、1週間でケリをつけよう。

「Office」スキルを上げる

①ショートカットキー使用と②偏執性の高い資料作成によって作業は相当軽減できる。そのスキルや生み出した時間を、みなに悟られないこと。資料作成係にさせられるだけだから。

生まれた時間を仕事に再投資する

「ちょっと面倒」だけど「仕事ができる」部下にならないと、この「減らす」作戦は成立たない。だからまず仕事に再投資。ただし、ぐっと絞り込んで。

Column 戦略的って何?

①戦場の設定
 自分が有利な場所、もしくは相手が不得手な場所で戦うことが勝利への「戦略」だ。あなたにとって得意な領域、もしくは職場でみなが苦手なことはなんだろう。
②勝てる仕組み作り
 戦場でどう動くかは「戦術」の話だが、的確に動けるように徹底的に準備することは「戦略」の話。

早めにやる


急かされるとヒトの生産性はダウンする

世の中は「答えが明らかでない問題」に満ちている。答えが明らかでない問題の場合、〆切に急かされると、ヒトは1つの考えに固執し、離れようとせず問題を解くのに時間がかかる。〆切に急かされるべからず。

早めにやるとはどういうことか?

「早めにやる」とは文字通り、仕事を〆切ギリギリではなく、ずっと手前から前倒しでやり始めること。
①気分に合わせて仕事をすること    ⇒ 生産性が上がる
②ムリそうなものの把握        ⇒ スタックが無くなる
③答えのカケラを納得いくまで探すこと ⇒ 後工程がラクになる
④スケジュールに余裕を持つこと    ⇒ 保険になる
〆切に急かされるのではなく、自分から早めに動いて仕事に対する主導権を握ることができれば、発想力も高まって生産は10倍に上がる

気分に合わせて仕事をする

ある仕事に5日(40時間)かけるにしても、1ヶ月前から始めれば、そのテーマに対して調子の良い日だけを、5日割り当てることが出来る。仕事を作業に沸け、さらにそれらを「クリエイティブワーク」と「力仕事」と「軽作業」に分ける。ただし、ここでの軽重は体力や所要時間のそれではなく、精神力的に重いかどうか。
・序盤⇒アイデアに発想や着想が必要【クリエイティブワーク】
・前半⇒(時間はかかるが)情報収集や整理が中心【軽作業】
・後半⇒分析やストーリー決め【クリエイティブワーク】
・終盤⇒資料の書き下ろしと整理【力仕事】
 早めに手をつけ、その日の気分に合わせてやるべきタスクを決めていこう。あくまでムリはしないこと。ただし、クリエイティブワークができる状態のときに、他のことに気を散らさないこと。貴重な時間を決してムダにしないこと。

答えの「カケラ」を納得がいくまで探す

闇雲に作業を進めるのではなく、最終的な答えを仮に作ってから、それを証明するために作業を組み立てる、という思考法が重要。

スケジュールに余裕を持つ

仕事に貯金を作る。そのために、最初だけ倍、頑張る。たったそれだけで、仕事の渋滞は大いに減らせる。

シゴトを並行して走らせる

仕事を「早めにやる」ということは、実は多くの仕事を同時並行的にやるということでもあるからだ。仕事は早めにまず細切れにし、うまく横に並べて「少しずつ」「できるところから」並列的に片付けていくことで、全体の生産性は格段に向上する。

仕事を細切れにするコツ

「仕事をうまく細切れにする」技術は効率化のために必須。これがないと、仕事を縦に列べて片っ端から片付けていくしかなくなる。

モチベーションを早めに上げる

「早めにやる」の最大の壁は、いかに早期にやる気を上げるか。ゴールシーンを常に思い浮かべるようにしよう。1~2ヶ月先をにらみながら、ジワジワやる気を上げていこう。

どの仕事にもすぐに取りかかれるようにする

そもそも、ある仕事に関連する資料や情報は必ず「フォルダ」や「タグ」でまとめておくこと。

Column 良い戦略って何?

戦略とは、なにを狙うかを決めること、そしてなにを捨てるかを決めること。

習慣にする


参入障壁を下げる(1)マネをする

学んだら、絞って選ぶこと。これならマネできそうだ、というものをまずは1つ選ぶこと

参入障壁を下げる(2)既存の習慣にくっつける

新しいモノを導入するとき、既存の(強い)モノにくっつけてしまうことで、うまく障壁を乗り越える方法がある。タイミングは「の前」「と同時に」「のあと」の3種類。くっつける新しい習慣(候補)は、1つずつ。焦らず、じっくり。

参入障壁を下げる(3)学びすぎず、気楽に3回やる

一旦決めたら3回はやろう。それで習慣になるかどうかの見極めはつく。少し気合を入れてやるなら、そのさらに約3倍の10回はやろう。そうすれば、何か得るものが必ずあるはず。

撤退障壁を上げる(1)途中でとめられないようにする

その習慣を途中で止めたら、捨てるものがとても大きくなるようにしてもらう。

撤退障壁を上げる(2)他人に宣言する

他人に宣言し、実行を他人とのコミットメントでアピールする。そして、自分を変えていく。

撤退障壁を上げる(3)個人戦ではなく集団戦にする

友人や家族、同僚や取引先を巻き込んでやる。

「減らす」の習慣化ツール

自分記録ノートを作り、自分に関しての記録を取る。

チェックリストで自分をしつける

手帳に書いて自分をしつける。

まとめ

重要な4つのプロセス、分ける、減らす、早めにやる、習慣にする。仕事もプライベートもまずは分けることが重要だ。こだわるものとこだわらないものを分けて、こだわらないことに対しては絶対に悩まない。悩んでいる時間が無駄なのだ。また、決め方を決めておくことは非常に重要だ。決まっていれば、決めるための時間を短縮できる。また、せっかく分けてもあらゆるものが増えてしまっては意味がない。減らすという努力が必要だ。不要なものを起こさない、元々の数を減らしていく必要がある。また、そこまでできたらあとは早め早めに手をつけること。習慣化すること。少しずつ実践していきたい。

1読書1アウトプット

こだわるものとこだわらないものを分ける

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