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【書評】熊とワルツを

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本日の1冊

タイトル:熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理
著者:トム・デマルコ/ティモシー・リスター

概要

プロジェクトマネージメントにおける「リスク管理」が本書のテーマ。リスクが大きければ,そのぶんチャンスも大きい。リスクという熊とのダンスを楽しみながら、プロジェクトを進めようというのがタイトルにつけられた意味である。プロジェクトマネージャ、経営者必読の1冊。

ポイント

なぜリスクを管理するのか


リスク管理はおとなのプロジェクト管理だ

―リスクの当面の定義
 リスク【名】1.将来起こりうる出来事で、望まない結果を生むもの。
       2.望まない結果そのもの。
一番目の定義は原因で、二番目の定義は結果である。どちらも重要だが、両方をどうにかできるなどと思い上がってはならない。リスク管理とは、原因となるリスクを管理することである。

―リスク管理の各要素
 ・リスク発見 ・エクスポージャー分析 ・危機対応計画 ・軽減 ・継続的な移行監視

リスクを管理すべき理由

―リスク管理は積極的にリスクをとれるようにする
 一般的な企業文化の中でリスク管理が難しいのは、不確定なものを系統的にあつかうことになるからだ。

―リスク管理は不意打ちを防ぐ
 この業界には、「やればできる」思考が蔓延している。そのせいで、「できない」ことを示すような分析は叩かれる。リスク管理をすれば、多少の「できない」思考は許容される。リスク管理のしくみを導入すれば、少なくともある程度の時間は、人びとにマイナス思考を許すことになる。

リスク管理は成功するプロジェクトを作る

―リスク管理は不確定要素を限りあるものにする
 無限の不確定要素の前では、人はリスクを避けるか、自暴自棄になるかのどちらかである。どちらも最悪だ。

―リスク管理は最小限のコストによる保険である
 不確定要素がわかれば、自分の身をしっかり守るためにどれぐらいの備えが必要かもわかる。

なぜリスクを管理しないのか


リスクを管理すべきでない理由

―発注者がリスクに直面できるほど成熟していない

―不確定範囲が広すぎる

―はっきり不確定幅を決めると、出来の悪い仕事を許すことになる

―「成功のための管理」の方があてになる

―リスク管理を有効に行うために必要なデータが不足している

―単独でリスク管理をするのは危険である

次のプロジェクトの幸運を祈る。……ただし、運にたよるな。

―「それについては運を天にまかせよう」
 1.実現の確率が無視できるほど小さい
 2.万一実現した場合、現在管理している仕事(開発中の製品)など、たいしたことではなくなる
 3.リスクの影響がきわめて小さく、軽減する必要がない
 4.他人のリスクである

プロジェクトの直面するリスクのほとんどは、この四つのどれにもあたらない。これらに該当しないリスクは、現実的で重要なリスクである。

リスク管理の方法


リスク管理のしくみ

―たぶん予想することはそんなに下手ではない
 ソフトウェア・プロジェクト・マネージャーのほとんどは、やらなければならない作業についてはほぼ確実に予想できるが、やらなければならないかもしれない作業は正しく予想できない。

基本に返る ―「わからない」に隠された意味

 リスク管理の戦術は、自分の「わからない」という声に耳を傾け、そのたびに補足のために次のように自問することである。わからないことについて、わかっている(または知りえる)ことは何か。

ソフトウェアプロジェクトのコア・リスク

―あらゆるソフトウェア・プロジェクトに共通のリスク
 1.内在的なスケジュールの欠陥
 2.要求の増大(要求の変更)
 3.人員の離脱
 4.仕様の崩壊
 5.生産性の低迷

リスク発見プロセス

―決められたプロセス
 ステップ1 破壊的結果についてのブレーンストーミング
 ステップ2 シナリオの構築
 記録した破壊的け化をひとつずつ見直し、その結果に結びつきそうなシナリオをひとつ以上想定する。
 ステップ3 根本原因の分析

まとめ

リスクが大きければ,そのぶんチャンスも大きい。つまり、リスク管理は成功するプロジェクトを作る。不確定要素を認識し、その中で分かっていることは何かを考える。やらなければならないことだけを管理するのではなく、やらなければならないかもしれないこと特に管理することが重要だ。

1読書1アウトプット

リスクを負って、リスクを徹底管理する

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